3Dシアター基礎知識
● 3D方式や安全性 ● 必要な機器、コンテンツなど |
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ここでは、3Dシアターに関する基本的な情報を記載いたします。
3Dのシステムは用途や視聴人数、設置環境などに応じて最適な組み合わせが決まってきます。
お気軽にご相談ください。
◆ 最初の確認点
3Dシアターを導入する際には、以下の点を初期の段階で確認する必要があります。
・視聴人数 |
人数によって、最適な3D方式やスクリーンサイズ、客席の配置などが決まってきます。
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・視聴者の年齢層 |
立体感(視差)の度合、3Dコンテンツの内容、3D方式の選択などに関わります。
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・設置環境 |
明るさや広さによって、最適な3D方式や使用機器が決まります。
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・運用の仕方 |
3Dメガネの配布方法、回収の有無、映像の再生方法…これらにより、最適な3D方式が変わってきます。 |
・スクリーンサイズ |
使用機器や、3Dコンテンツの制作方法に影響します。
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・コンテンツの縦横(アスペクト)比や解像度 |
4:3なのか16:9なのか、またその解像度により、使用機器が変わってきます。
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・予算 |
低予算でも3Dシアターを構成することができます。
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上記を確認した上で、シアターの設計、3D方式と機器の選択、コンテンツ制作をおこなっていきます。
◆ 〜 最適な観賞位置は一か所
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3Dシアターを設計するにあたり、客席の配置に影響する重要な確認点が1つあります。
それは、
「1つの3D映像に対して最適な観賞位置は一か所である」 という事実です。
これは、現在の3D方式の原理から必然的に生じることであり、『アバター』や『アリス・イン・ワンダーランド』等の映画館で上映された作品も例外ではありません。
最適な位置から離れれば離れるほど、映像の立体感は歪むことになります。
この事実をふまえたうえで、より多くのお客様に歪みの少ない3D映像をみていただけるように、3Dシアターを設計することが重要になります。
3Dシアターを構成するために必要なものは、おもに以下のものです。
ソリッドレイ研究所では、上記のようなハードウェアから、ソフトウェア、コンテンツまで取り扱っております。
お客様のご要望・ご予算に応じた、最適な組み合わせをご提案させていただきます。
もちろん、レンタル等も行っております。
3D方式や機器構成は、複数通り存在しますが、ここではそれらを整理してみます。
シアターに適した3D方式には、大きく分けて次の三つがあります。
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1.偏光方式
2.アクティブシャッター方式
3.アナグリフ方式
※他にも分光方式(Dolby3D方式)などがありますが、
劇場映画館以外での利用となると上記3方式が現実的です。 |
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それぞれの特徴を以下に整理します。
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1.偏光方式 |
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・偏光フィルタを利用して左目用、右目用の映像を分ける方式。
・メガネが安価 → 多人数視聴向き、運用が便利
・専用スクリーンが必要(シルバースクリーン)
・プロジェクタが2台必要
・直線偏光方式、円偏光方式、REAL D方式などがある。 |
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2.アクティブシャッター方式 |
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・交互に左右の映像を表示し、それに合わせてメガネの液晶シャッターを左右交互に開閉することで、
左右の映像を分割する方式。 (時分割方式)
VIERA(パナソニック)やBRAVIA(ソニー)等の3Dテレビもこの方式です。
・スクリーン不要
・プロジェクタは一つで可能
・メガネ価格は1万8千円〜(50人以上のイベントなどには不向き) |
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3.アナグリフ方式 |
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・補色関係にある2色(おもに赤と青)を用い、左右の映像を分割する方式。
・表示が容易。(3D専用機器が不要)
・色の再現が限定的。
・同様に色で分割する発展的な方法として分光方式(Dolby3D)方式がある。(映画館用)
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このように、3D方式にはそれぞれ特徴があります。これらは、はじめに述べた確認点(視聴人数、年齢層、設置環境など)によって、最適な組み合わせが決まってきます。
ご不明な点は、お気軽に弊社までお問い合わせください。
3Dコンテンツには、以下の三つの作成方法があります。
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@ CGの3D(立体)レンダリング
A 2D→3D変換
B 実写の3D撮影 |
@ CGの3D(立体)レンダリング
3DのCGは、大きく分けて2種類あります。
ひとつは映画館などで見られるCGムービー。これはあらかじめCGモデリングソフト等の中で二つのカメラを使用してレンダリングした二つのムービーを再生するものです。
もうひとつは、リアルタイム3DCG。
これはOpenGLやDirectX等のAPIを利用して、リアルタイムで3DCGを描画する形式です。
前者のムービーとは異なり、空間を自由に動き回ったり、画面に働きかけるなどの双方向(インタラクティブ)性を有するのが特徴です。バーチャルリアリティなどの表現もこちらに該当します。
ソリッドレイ研究所では、リアルタイム3DCGコンテンツの作成・表示ソフトウェア『オメガスペース』を開発し、実物大の3DCGによるショールームやプレゼン・教育システムなど、さまざまなコンテンツを作成しております。 |

実物大の3Dによるショールーム |
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A 2D→3D変換
これは既存の2D映像に対して、右目・左目で見たときのズレ(視差)を画像処理として追加し、3D映像にする技術です。
B 実写の3D撮影
以前は難しかった3D撮影も、専用の機材が登場することで、多くの方々がオリジナルの3D映像を撮影できるようになってきました。
特に富士フィルムから2009年に発売された3Dデジカメは画期的で、初めての方でも安価に・容易に3D写真・動画が撮影できるようになっています。 → ユーザー事例:モンキーパンチ様
ソリッドレイ研究所では、2D→3D変換、双方向3D、等、コンテンツ制作も承っております。
お気軽にご相談ください。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 3Dの演出 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
効果的な3D映像の演出方法もいろいろとあります |
・飛び出す被写体は画面のフレーム内に収めるとよい。
画面より手前にあるはずの被写体が、フレーム付近では画面に張り付いたように見えてしまいます。
・1カットを短くしすぎない。
3D映像は2D映像にくらべて、脳が知覚するのに時間がかかります。
・立体感が大きく異なるカットをつながない。
眼精疲労を引き起こす原因になります。
などなど、3D特有の演出ポイントがあります。 |
3D映像を観賞するお客様の中には、まれに、「めまいや吐き気、頭痛」などの症状を発症される方々や、映像が立体に見えない方々がいらっしゃいます。
これは3Dシアターを運営する上で、どうしても避けられないことです。
ゆえに、ソリッドレイ研究所では以下のような3つの局面ごとに、十分な配慮をおこなうことをご提案しております。
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@ 安全なシステム設計、3Dコンテンツ制作
画面サイズと視差の調整、適正な視聴位置の設計、プロジェクタ設定、
周波数の設定、安全な3D演出、など
A 観賞前の注意喚起
視聴姿勢、低年齢層への配慮、眼精疲労・不快感を感じた場合の対処法など
B それでもトラブルが生じてしまった場合の対処の準備
運営スタッフの教育と配置、休憩スペースの準備、など
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またソリッドレイ研究所では、以下のサイトで公開されているような「3D安全ガイドライン」に十分配慮し、
3Dシアターの設計、コンテンツ制作等をおこなっております。
他にも3D映像の生体影響を専門としている研究者の方々からも意見を伺い、
3D映像の安全性を図るプログラムの研究・開発などもおこなっております。
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