設立されてまだ 3 週間も経ってない 6 人だけの小さな会社に超巨大企業である日産自動車の中央研究所の方々がデモに来社して、まだ開発途中であった ray20 の購入を決めてくれた。こんなシンデレラのような話があるのだろうか?

そして、さらに T 課長は驚くべき事を私に話した。

T 課長「納入は、6月でいいけれども支払いは、3月でもいいですか?」

私「え? それは、今年の3月ですか?」

T 課長「ええ、来月です。」

(う〜ん、これはやはり夢の中にいるのだろうか? しかし、どう考えても現実なのである。)

T 課長「途中の段階でもいいので一旦 3 月末に装置を納入してもらえませんか?」

T 課長「その時に請求書をもらえば代金をお支払いします。」

私「私の方は、それでかまいませんが・・・。」

そして、さらなる凄い提案があった。

T 課長「うちの会社は、取引口座を持ってないと直接注文を出せないのですよ。」

T 課長「もちろんソリッドレイさんは、口座を持ってないですよね?」

私「はい、口座は銀行にしか持ってないです。日産さんには、口座を持ってないです。」

T 課長「となると、口座を持っているどこかの商社を通さないといけなくなるのだけれども・・」

T 課長「商社を通すと手数料を取られてしまうのでよくないですよね。」

私「・・・・・・」

T 課長「分かりました。こうしましょう。」

T 課長「私が本社に頼んでソリッドレイさんの口座を作るようにします。」

私「はい、どうもありがとうございます。」

という事で、まったく取引のない生まれたばかりのこの小さな会社と日産自動車とで直接取引ができる口座を開設してくれる事になったのである。
 こんな信じられない事になったのは、運もあるだろうが「立体映像」という未だ未知なる市場をターゲットにした結果である事も間違いないと思った。そして、この日産自動車との取引によって得られた一番大きな収穫は、「流体解析の計算結果を見るには、立体映像が有効である」という事だった。私たちはすぐさま、流体計算結果の立体表示ソフトウエア「フローアイズ」の開発に着手した。
このソフトは、翌年完成し建設業界、自動車業界に多く売れソリッドレイの屋台骨を支えるまでになった。

 


 
流体解析表示ソフト/フローアイズ



 そして設立 3 年が経ち会社も順調なので社長車を買おうという事になった。
車とかに興味もなく運転もヘタな私であったが頑張ったご褒美にと社長車を買う事になった。
社員皆の「え〜!」という声の中で私が選んだ車は、日産自動車のフェアレディー Z であった。社長車を Z にする社長なんてあんまりいませんよ、とある社員に言われたが、私としてはこれしかないと思っていた。 恐くて120 K m以上出せなかったけど、この Z には 6 年ほどお世話になりました。

 


      


     当時のフェアレディーZ