社長交遊録
第22回
抗原抗体反応
 とある晩、社員さんと居酒屋での会話。

社員:「社長、次の交遊録はいつ書くんですか?」
 私:「実は、もう書き始めてるんだよ。」
社員:「何を書くんですか?」
 私:「抗原抗体反応について書こうと思ってるんだよ」
社員:「コウゲンコウタイハンノウ??」
 私:「意味知ってる?」
社員:「いや〜、知らないです」
 私:「そうだよね、だから書こうと思ったんだよ。すごく面白い事なんだよ」



 抗原抗体反応とは、病原やウィルスなど(抗原)が体内に入ってきた時にそれに対抗する抗体を作る事です。何かを作るわけですからそこには設計図があるはずです。その設計図が遺伝子です。

 つまり、抗体は遺伝子によって作られるのですが、問題がありました。何故“多種多様”な病原やウィルスに対抗できる抗体を作る事ができるのか?解らなかったのです。抗体を作るのは遺伝子の指示で作るのですが、この世に存在する病原やウィルス全部に対応する抗体の設計図を人間は生まれ持っているのだろうか?それとも抗原(異物)が体内に入って来た時、遺伝子が変化して新たな設計図を作るのだろうか?謎だったのです。


 ご存知のように人間は両親により受精卵が作られ、その時の遺伝子を含む細胞が分裂して成長し、約10か月後にオギャーとこの世に生まれでるわけです。全ての細胞が同じ遺伝子を持っており、それが生まれてから変化するという事は無いと考えられていたのでこの謎が生じたのです。

 で、この謎を解いたのが利根川 進(京大卒、MIT教授)さんだったのです。実は遺伝子は自分の遺伝子を組み変える事ができ、新しい抗体を生成する事ができるのです。これには皆ビックリしたでしょう。それを証明したのが利根川さんでした。この功績により利根川さんは、1987年ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。(奇しくもソリッドレイが創立された年でした)

 この抗原抗体反応は自然界のしくみのような気がします。そして人間社会でも抗原抗体反応が起きているようです。抗原抗体反応は異物が入ってくるとそれに対抗するために抗体が作られますが、人間社会で異物とは、自分の意見と合わない存在を言います。社長と意見が合わない専務が自分と意見の合う人間を集めて派閥を作る。これも抗原抗体反応。さらには、それに対抗するように社長派閥も作られる。これも抗原抗体反応。この専務派閥ができなければ社長派閥もできなかったでしょう。そして社長とも専務とも意見が違う派閥も抗原抗体反応として作られる。こうなると、この連鎖反応的抗原抗体反応?を止めるのは難しいように思えます。日本に、今、多くの政党が出来ているのもこの抗原抗体反応の一環かもしれません。

 これが自然界から与えられた人間の行動原理なのでしょう。であればそれに素直に従って情勢を見るのが一番いいかもしれません。一番怖いのは、自分では意識してないのに勝手に派閥の仲間に組み込まれてしまう事です。くれぐれもご注意を。

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