社長交遊録
第20回
「不条理」の法則
 明けましておめでとうございます。

 ちょっと長い休養をしていましたが、この交遊録を再開しようと思います。 何故か?と聞かれても困りますが、カフカの「異邦人」流に言えば、朝会社へ歩いて来る時に冷たい風が通り抜けたから?

 カフカと言えば「不条理」の世界を思い浮かべる人も多いと思います。 私はこの「不条理」という法則(?)が何となく好きなのです。人は理論的に動いているように見えますが、結構不条理な行動も多々あるものです。「衝動買い」などは、正に不条理そのもので、私の妻を見ていると不条理以外の何物でもありません。「ラーメンでも食べに行こうか」と妻と家を出てラーメンを食べた事はめったにありません。と言って私は不機嫌になったりした事もありません。

 「不条理な行動」というのがあるからこそ人間社会は面白いのだと思います。私の見解では、「不条理」は、人間社会に必要な一種の法則なのではないかと思っています。「不条理」な人は困ったものですが、集団の中に1人ぐらい「不条理」な人がいるとその集団は活気付くものです。

 「不条理」な人の典型的なサンプルは、「寅さん」です。そう、山田洋二監督の代表作「男はつらいよ」シリーズの主人公フーテンの寅さんです。寅さんの行動は「不条理」そのもので、いつも周りの人々を混乱させ翻弄してしまいます。その何をするか分からない寅さんの行動を見ている観客もどうなるんだろう?とハラハラドキドキしてしまいます。そこにこの映画の魅力があるのでしょう。寅さんが旅に出て家にいない時、家族や周りの人達は「寅さん、今頃どこで何しているんだろうね」と気になってしまいます。
 と言って、この文章を読んだ人が「そうか、俺もこれから不条理に生きよう」と思っても嫌われるだけですから止めた方がいいです。不条理に生きるというのは、そう生きようと思ってするものではないからです。本人は至ってまじめに行動するのですが、周りから見ると不条理なのが「不条理」なのですから。

 さて、この「不条理法則」を実は、会社経営にもちょっと利用しています。それは、決算の時、多少黒字が多い時に「気まぐれ衝動ボーナス!」と言って突然1ヶ月分ぐらいのボーナスを出すのです。これを黒字が多いからボーナス出します、と言うと法則になってしまい、次回黒字が多い時に義務として出さないといけなくなってしまいます。ところが、「気まぐれ」「衝動」という修飾語を付けて出すと法則性を解除する事ができます。
 「ええ、こんな事書いていいんかい?社員が読んだら炎上するぞ。」と心配してくれる人もいるかもしれません。が、一応うちの社員さんがこの文章を読んでしまう可能性も考えて書いています。
<<これを読んでいる社員さんへ>>
 「気まぐれ」、「衝動」だろうが、降って湧いたボーナスなんだから良しとしようよ。
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